移動しなくても自宅で勉強できる遠隔授業の種類と事例

 

 

少子高齢化が進む日本では、全国で学校の小規模化が進んでいくのではないかと推測されています。小規模の学校が増えることで、子供たちの社会性やコミュニケーション能力の低下が懸念されます。そこで考えられた新しい学習方法が遠隔授業です。遠隔授業は、山間部周辺にある小学校と都心部の小学校の子供たちがモニターを通して、意見交換や話し合いを行うことや、いじめやケガ、障がいといったやむを得ない理由で、通学ができない子供たちが学校に通学しなくても、高校・大学の単位を取得できる新しい授業スタイルです。

今回は、場所を選ばず好きな時間に勉強できる、遠隔授業の種類と実際に行われた事例についてご紹介します。

1.遠隔授業の類型化

遠隔授業を効率的に活用するには、具体的な授業方法やその授業スタイルの目的を理解することが大切です。文部科学省の発表によると、遠隔授業の類型は合同授業型、教師支援型、教科・科目充実型の3種類と言われています。同じ遠隔システムの授業といっても、その授業内容や行う目的や対象は異なります。遠隔授業に関する理解を深め、自分に合った学習方法を見つけましょう。

1-1.合同授業型

複数の小規模学校を遠隔システムでつなぎ、モニターを通して意見交換や話し合いを行います。さまざまな考え方に触れ、想像力や思考力の向上、子供たちのコミュニケーション能力を育成することが目的です。また、小規模学校と都心にある学校をつなげば、情報交換のツールとして活用でき、山間部と都心部の学力に差が生まれることを防ぐこともできます。

合同授業型による遠隔授業は、小規模学校同士だけでなく、都心部と山間部の学校や、本校と分校といった、さまざまな組み合わせで行えるようになり、考え方の柔軟性や社会性を育む授業が期待でき、現在あらゆる地域で導入されています。

1-2.教師支援型

海外在住の講師や博物館・美術館に依頼し、専門性の高い授業を行う授業方法です。遠くにいる専門家と遠隔システムを利用して連携することで、時間やコストを抑え、学習活動の幅を広げることを目的としています。

さらに、当該教科の免許状を持っている講師の教室と持っていない小規模学校の教室を遠隔システムでつなぎ、指導のアドバイスや模範的な実技を行うことも可能です。それによって、講師の質を高め、生徒の学力向上を目指しています。

1-3.教科・科目充実型

高等学校段階のみで行われる遠隔授業で、生徒の多様な科目選択を可能にし、学習機会を充実させています。全日制・定時制課程の高等学校や特別支援学校高等部の場合、遠隔学習で履修した授業は、一定の条件を満たせば単位認定が得られます。合同授業型や教師支援型とは異なり、授業を行う講師には、当該教科の教員免許は必須ですが、その授業を受信する教室の講師については、教員免許は必要ですが、当該教科の免許である必要はありません。

高校は義務教育ではないので、必修科目と選択科目があり、全員がすべて同じ授業を受けることはありません。多種多様な各教科を自ら選択し、履修させることで、生徒の多様性を高め、選択の幅を広げています。

2.取組事例

文部科学省の資料によれば、テレビ会議システムを活用した英語の授業で、ALT(外国語指導助手)のネイティブな発音指導や児童同士がコミュニケーションをとる機会を増やすことにより、英語での表現力を高める取り組みが行われているそうです。中でも、遠隔合同授業は、友達や他校の生徒と話し合いや議論を行い、さまざまな考え方を受け止め、自分の考えを深めていく効果が認められています。

2-1.遠隔合同授業

遠く離れた学校同士が遠隔システムを利用して、合同で授業を行うことです。従来のような一方向型ではなく、双方向の授業になっています。生徒自らが主体となって話し合いや対話を進め、集団としての考えを発展させることで、社会性向上を目指すことが主な目的です。生徒や黒板を映すためのカメラや遠隔システム、マイク・スピーカーを用意すれば、実施できます。

2-2.具体的な学習活動

遠隔合同授業は、離れた教室同士をつなげ、大人数で行うことを目的としています。そのため、実際の学習活動は普段と変わらない内容が多いです。講師が授業の説明で、よりわかりやすく説明するための利用や、全体で行う話し合いや発表を行う場合での利用も可能です。

普段の授業で黒板の板書ではなく、モニターを使った説明を行うことで、アニメーションや音声によって、生徒たちが受け取る情報量を増やしています。また、話し合いで活用する場合は、意見を発表するときにモニターとして利用したり、相手校の発表を聞くときに役立ちます。

3.まとめ

遠隔授業は、学習活動の規模を広げ、通学できない生徒たちが自宅でも気軽に勉強できるよう工夫されています。インターネットが普及し、少子高齢化が進む現代では、遠隔授業が重要な学習方法として期待されます。異なる学習環境の学校が、モニターを通してつながることで、生徒たちがさまざまな考えに触れる機会を増やし、社会性やコミュニケーション能力を育んでいます。

遠隔授業に興味があり、受講を考えている方は、ぜひ「株式会社 北斗塾JAPAN」にお問い合わせください。一人ひとりの理解度に合わせた授業を、プロの講師が丁寧に行います。苦手科目やテスト対策などもおまかせください。