先日の日曜日に将棋大会があった。
「あった」と言えば他人事風に聞こえるが、
正確に言うと「してもらった」。
北斗塾はスポンサー(後援者)という立場で、
かれこれ将棋大会の開催は10回目を迎えることができた。
主催者は宮崎県内の主要支部の席主のある方で、
その方以外の席主の方たちの協力があって大会は開催されてきた。
連続で毎年と言うわけではなくて、
12年間かけて10回開催できた。
継続してきて良かったと感慨にふけることができて、
ある意味自己満足の部分が大きいわけだが、
やってきてみてわかったことがある。
将棋の強い子は頭がいい。
言い方を変えると、
将棋が強くなる過程で頭が良くなる。
これは間違いない事実だと私は思っている。
将棋は相手の指し手をあらかじめ「読んで」、
それを上回る手を指すことによって勝てるゲームだ。
正解に近いもしくは正解の手のことを最善手(さいぜんしゅ)と言うが、
これの積み重ねが多い方が将棋に勝つ確率は高い。
この最善手を考えるには「論理的思考」が必要とされる。
それの積み重ねを制限時間内で真剣にかつ大量に行うゲーム、
それが将棋だ。
私が見ている限りにおいて子どもは将棋を指すたびに、
この「論理的思考」の訓練が十分にできているため、
深くかつ何度も思考することができるようになる。
この影響が受験に大きく作用するときがくるのだが、
それこそが「大学受験」である。
小中学生までは暗記で何とかなっていたちょっと頭のいい生徒。
高校受験までならそれでも通用することが多い。
しかしながら、
そういった生徒は高校生になってしばらくすると成績が悪くなってくる。
「なぜか?」
その答えは「論理的思考」の訓練の欠如または少なさである。
将棋なんかしなくても中学生までならば学校でもいい成績を取れる。
高校受験程度までならそこまで論理的な思考力を要さない、
そういう問題が高校入試には大量に出るからだ。
難関レベルの高校になるとそうではなくなっていき、
論理的思考力がないと解けない問題の割合が多くなる。
私立系の進学高校だとあまり知られないような細かい知識が問われやすく、
公立系の高校よりはそういう意味で難易度が高い問題が出てくるが、
これが大学受験になるとこの傾向がエスカレートして、
難易度が極端に増すためにそう易々と合格できない。
この大学受験に必要な論理的思考を小学校低学年から、
頭の柔らかい小学校の低学年から鍛錬できる頭脳スポーツ、
それが「将棋」だ。
世の中の親御さんたちはこの事実を知っておいた方がいい。
将棋をやっていた効果は高校受験の時ではなく、
論理力を問われる問題が大半を占める大学受験時、
そのときに隠れたアドバンテージとして、
わが子の志望大学合格への後押しをしてくれることを。