塾長の考え(自立型個別指導)10

「GW中の勉強はうまくできた?」

 

この質問をいろんな生徒にしている。

どんな回答が返ってくるか、

それが私の楽しみでもあり、

その回答は、

今後の指導の貴重な「資料」にもなる。

多かったのが、

「あまりうまくできませんでした…」

次に多かったのが、

「全然できませんでした」

こういった回答である。

そして少数ながらも、

「うまくできました」

「バッチリでした」

という生徒もいた。

さて、

これら各々の回答の内容…、

各生徒の気まずそうな反応や、

明るく返してくる反応が、

今回確認したかったことである。

そこに明らかに性格が表れるからだ。

 

対象が小学生から中学生、

高校生から浪人生というように、

学年が上がってくれば来るほど、

自立の意識は高くなり、

「自立度」も上級者となる。

ちなみに「自立度」とは、

私が勝手に決めた基準であるが、

これにより指導のやり方を、

個別にチューニングするわけだ。

もしも私が強制的に、

「GW中も毎日塾に来いよ!」

と言えば塾生全員…とは言わないが、

それでも半数以上は出てきただろう。

 

GWなどの長期休暇すなわち、

他人が休んでいる間にたくさんの、

学習や勉強をしたことにより、

5月中に行われるテストで、

成績が上がる。

そのことは生徒にとって、

「努力は報われる」という、

貴重な経験ができるのでいいことだ。

その逆で、

「サボってしまった…、マズい…」

ということで反省する生徒がいても、

それもまたよしだと思う。

次にどうするか?

自分の心の弱さを認識して、

少しでも強くなろうとするのか、

それとも塾の自習室に依存して、

これからもやっていくのか。

大事なことは最終結果である、

大学受験での合格である。

GWに上手く勉強できた生徒は、

これからも継続できるように。

そして物足りなかった生徒は、

よくよく反省して、

今後は時間管理が上手くできるように。

そうなっていけば良い。

ところで、

塾の自習室で頑張ったかいがあって、

結果が出た生徒は今後ますます塾、

つまり自習室に依存するようになるはず。

「塾の自習室に来ないと何か…不安です」

「学校でなくて毎日塾に通いたいです」

などと言い出す生徒も出てくるだろう。

塾依存症の初期症状である。

こうなると、

生徒の個性(持ち味)を活かしたり、

潜在能力を引っ張り出して、

最大限に学力を伸ばすというより、

そこの塾の指導者の力量に、

今後の成績は左右されるだろう。

ますます、

「俺の言うとおりにやれば大丈夫」

「俺の言うことを素直に聞け!」

という教室長や塾長の言葉に対して、

逆らえなくなっていくだろう。

 

高校受験ならばまだよい。

それでも合格できるからだ。

(2次募集という救済もあるし)

私が再三言っているのは、

大学受験での結果である。

生徒の自立心を育むような、

質の高い指導ができなければ、

第1志望大学に塾生が全員落ちる、

そんなことも起きる。

 

(続く)