塾長の考え(親子関係)8

悪化した親子関係は修復できるのか?

 

親子関係で苦戦している家庭は要注意。

「要注意と言われても…どうすれば?」

「うちの子は高校生ですよ…今さら…」

 

親子関係は上手くいっていないが、

夫婦関係は上手くいっている。

そんな家庭があるだろうか?

 

あるにはあるだろうが、

少数派ではないだろうか…?

親子関係に限らず、

人間関係を良い状態に保つためには、

実は細心の注意が常に必要だが、

それを意識していない人が、

世の中にはかなりたくさんいるようだ。

 

「世の中の多くの人が…?」

 

私も数年前までは世間にあまり関心がなく、

自分のことや自塾の関係者(生徒、保護者)、

それから家族のことというように、

自分の身の回りの存在にしか関心がなく、

それ以外の人に関心をもっていなかった。

もちろん今でもその傾向は少しあるのだが、

現代はスマホ時代。

いくらでも世間の多数の人たちが、

何を考えてどう行動しているか、

その様子がSNSなどで容易に把握できる。

こんな時代になったことで自然と認識できた。

 

「多くの人たちが人間関係で悩んでいる」

 

1.人間関係(学校、職場、家庭)

2.金銭関係(経済力)

3.健康状態(病気など)

 

大多数がこの順番で悩んでいると思われる。

自分は学生だという場合は、

「学校の成績」が2番目に来るはず。

 

学校では人間関係のことを基本的に教えない。

(お金に関する教育もしない)

 

さて、親子関係についてだが…、

とにかく会話(対話)をすることからだ。

そのときにやりがちなことが、

せっかくわが子が自分のことを話し始めた、

その瞬間に聞き役に徹することをできずに、

「あのね、それは…」

と自分の過去の経験に照らし合わせて、

教育(と言う名の「説教」)をする。

 

わが子に向かって言葉の速射砲。

「そんなことを悩んでどうするの」

「言い訳はいいいから」

「だから言わんこっちゃないでしょ」

「とにかくお母さんの言うことを聞きなさい」

「あなたは何もわかっていないのよ」

 

発言の内容はいろいろあるわけだが、

実際のところ親御さんが言う内容は、

ほとんどが正論のはずだ。

 

「正しいことを私は言っているのよ」

だが、これが落とし穴。

 

優秀な頭脳の母親ほど、

わが子に対して責任感の強い母親ほど、

わが子に対して愛情がある母親ほど、

ついつい説教をする。

親子関係でまず気を付けることとは、

「説教をしない」ということである。

 

わが子の置かれた状況をよく聞き出して、

わが子が現状をどう認識しているか、

どのように感じているのか、

それを理解することが9割なのである。

残り1割が、

お母さん(お父さん)としての意見である。

 

「わが子の教育の責任は親にあるのだから!」

確かにその通りだが、

関係修復の第1手目は「傾聴」なのだ。

わが子の心情を理解することが1番目であり、

共感することが2番目。

親の意見は早くても……3番目だ。

 

(続く)