塾長の考え(防衛大学校受験)3

Oくんは高校3年生。

防衛大学校が志望校だ。

 

Oくんの本格的な追い込みが始まった。

過去問をベースとした学習である。

 

1つひとつの問題を順番に解いていき、

その結果を私の方に逐一報告。

そして発表。

 

何を発表するのか?

 

それは、

1.できた問題は「確信」があったのか。

2.できなかった問題の理由は何か。

 

「1」については見逃しがちだが、

よくわかっていないのに、

たまたまできたという問題。

 

わかっていてできたのならばいい。

適当に選択肢を選んでみたら当たった。

これはできない問題に分類しなければならない。

 

Oくんは素直であるので、

まぐれでできた問題に関しては申告してきた。

 

申告してきたらどうなるか?

 

その問題について徹底的に指導されることになる。

根掘り葉掘りである。

私が実施する「根掘り葉掘り」は…きつい(笑)。

 

本質が理解できるまでずっとやり取りをするから。

生徒本人が自分の言葉で、

何度でもわかりやすく説明できるようになるまで、

こちら側はずっと付き合うことになる。

 

そこまでやっても、

それは「理解」の段階である。

 

その理解した内容(本質)を別の類似問題などで、

スムーズに正解を出せるというところまで、

 

何度もくりかえし演習しないと、

結局のところ入試で得点しない。

 

ここを勘違いしている学校の先生や塾講師が多い。

 

繰り返すが、

問題の内容を「理解」できただけで、

入試問題で得点できるようになることはない。

 

これが事実だが、

なぜ現場の先生や講師が勘違いしているのか?

これが不思議なところである。

 

確かに、

「理解」できただけで類似問題がどんどん解ける、

そういう生徒もいるにはいる。

 

私の主観でいけば、

そんな生徒(高校生)は20人中1人程度だ。

 

ほとんどの生徒はそうではない。

 

ただし、

義務教育の範囲である小学生や中学生の場合は、

事情が大きく異なる。

 

「理解」しただけでとくに演習を積まなくても、

類題は解けるという生徒が数多く存在する。

 

私の主観で言えば、

そんな生徒(小中学生)は10人中7~8人だ。

 

どうやら、

このせいで勘違いしていると思われる。

 

生徒本人(高校生)も学校の先生も塾講師も。

 

ここまで読んでもらえていれば、

もうおわかりかもしれないが、

 

小学生や中学生の指導と、

高校生の指導とでは次元が違う。

 

「次元」が違うのだ。

 

もっと言うと、

小学生の通常指導(学校の授業の補習)と、

小学生の中学受験指導は、

これまた別の意味で「次元」が異なる。

 

さらに、

名門私立中学を受験するための受験指導と、

公立の中高一貫校の受験指導とでは、

「種類」が違う。

 

公立の中学生が県立高校を受験する場合は、

やり方がもっとも単純ですむ。

なおかつ、

宮崎県の場合は競争倍率も低い。

 

そのため、

高校受験でうまくいったやり方を、

「大学受験」であっても通用するはずと、

勘違いしている塾が結構存在している。

 

 

(続く)