塾長の考え(自立型個別指導)18

今現在、

学習塾や予備校では夏期講習である。

 

小学生や中学生は学校が夏休みであり、

「特別に何かをする」

と最初から予定が立っていれば困らない。

 

しかし、

何も予定が立っていないと毎日が暇であるため、

いろいろと無駄な時間を過ごしがちだ。

 

「有効に時間を使ってほしい」

 

そう願う親御さんのほとんどは、

有効な時間を確保するためにわが子を習い事へ、

そして塾の夏期講習へと送り出す。

 

今まで34年間ずっと学習塾に関わってきた私は、

「夏期講習」というものが夏の風物詩である。

 

何度も何度もこの時期になると「夏期講習」。

やると決めているのは塾長である自分だから、

何も不満はない。

 

どちらかというと喜んでやっている。

 

「喜んでやる」一番の理由は単純である。

まとまった時間を指導出来れば、

塾生の学習単元の理解度が増していき、

演習を十分に重ね続けると、

みるみると学力がついていく様子がわかり、

手ごたえを大きく感じるからである。

 

さて、ここがポイントなのだが、

「演習を重ねない」塾や予備校の場合、

残念だが生徒の学力は向上していかない。

 

理解したことは定着して初めてモノになる。

だが定着はかんたんにはできない。

小中学生の場合は比較的かんたんに定着できる。

 

しかし、

高校生の学習の場合そうはいかないことが多い。

 

なぜか?

 

中学生までの勉強が甘すぎて、

義務教育までの基礎学力がガタガタな生徒が多いから。

 

この状態の高校生が本当に多い。

この場合は中学の内容から指導し直さないとムリ。

まったくムリ。

 

見て見ないふりをして、

高校生の内容だけを指導することも当然できるが、

問題の内容の本質をつかめないし、

つかめてもそれを解く技術も知識も…足りない。

 

手取り足取り指導することも当然できるが、

ずっと付きっ切りでの1対1の指導となる。

 

「1対1の指導なら、親身でいいですね!」

 

親御さんたちから高評価を得る勢いだが、

それに反して、

わが子の学力は向上する方向にはいかない。

 

ここが高校生の指導の難しいところ。

 

他人(講師)が手取り足取り指導して、

ようやく内容の本質がわかる。

 

これはたまにそうだというならいいが、

思考力の鍛錬ができていない生徒や、

 

「そもそも何を思考するの?」

 

そういう生徒も多数いるので、

指導のやり方が質問に応対するという個別指導だと、

ずっと生徒とのやり取りだけで塾の時間は終了。

 

結局はその生徒は講師がいなければ、

次の問題も当然のごとく解けない。

 

勉強は進まない。

 

だから暗記物に走ることになる。

暗記すればできる勉強にまい進することになる。

 

授業で本当に手に入れるべきことは、

問題の解法ではない。

 

新規の問題に直面したときに、

 

「どこからどのように攻略するか」

 

という「視点の取り方」を習得しなければならない。

 

この「視点の取り方」は個別指導ならば、

双方向の指導なので理論上は可能。

 

 

(続く)