塾長の考え(自己採点)前編

「塾長、これが結果なんですけどっ」

 

自己採点表を私の目の前に持ってきたのは、

あの「Aくん」である。

 

わかる人にはわかるだろうが、

このブログでは再登場。

 

「結果」とは何かというと、

先週の土曜日に実施した、

第2回全統共通テスト、

つまり模擬試験の結果である。

 

「目標に2点足りませんでしたっ」

「え、そうなの?」

「はい、すげぇ、悔しいっす」

「ちょっと見せてよ」

 

そこには…驚くべき結果が!

 

「マジでこれ取ったの?」

「はい、だから、2点足りなくて…」

 

2点足りない…。

なるほど確かに目標点数を前回の模試後に、

私との打ち合わせで決めはした。

 

だが、

 

その点数は第1回の合計点数に比べると、

 

「161点」アップの点数。

 

これを…取るつもりで指導はしているが、

本当に取れればある意味「奇跡の男」。

 

それに「2点」足りなかったと言う。

 

前回の第1回が実施されたのは5月6日。

今回の第2回が実施されたのは8月19日。

 

つまり、

 

3ヵ月と約2週間。(3.5ヵ月!)

 

わずかこの期間で上昇した点数は、

 

「159点!」

 

いやいや、これは取りすぎじゃないの?

 

常識的に考えるとそうなるが、事実。

自己採点とはいえ事実。

 

「おい、本当だろうね?」

「間違いないっす」

「…、そうか…」

「え、何すか?」

「いや、何でもない」

「目標点数に届いていないだろ的な?」

「いや、そういうことではない」

「じゃあ、何すか?」

「『何すか?』ではない」

「…」

「よくこれだけ取ったなぁ」

「あ、そっちぃ、マジっすか!?」

「うむ」

「『よくやったな』的な感じっすか?」

「まあ、そういうことになるな」

「お、や~りぃ~っ!」

 

予備校生として大学受験に、

今年再チャレンジとなったAくん。

 

昨年の猛勉強が今になって火を噴き始めた。

いや、炎かもしれない。

 

「そうっすか、そうっすか、俺やったんすね」

「慌てるな、これは単なる模擬試験だ!」

「いやいや、塾長に褒められるとは…ウシッ!」

「ウシッ?まあいいけど、よくやった」

「そうっすか?本当っすか?」

「ああ、本当だよ」

「おお~、やったぁ!」

 

3ヵ月半の指導と言っても、

その前の年の積み重ねがあって今がある。

これを「爆上がり」と言うのだろう。

 

「●●予備校に行けば、だいたい50点は上がる」

「何、それ?」

「だけど、俺は、50点じゃあダメなんすよ」

「あ、そう」

「確かに50点上がれば前回落ちた▲▲大学!」

「ふむ」

「そこには楽に受かると思うんすよ」

「ふ~ん」

「でも、俺はもう1度ここで頑張ろうと思って」

「うむ」

「あと120点は上げたいっす」

「ほぉ」

「…できますかね、俺??」

「うん、できそうな流れになって来たね」

「マジっすか、マジっすか!」

 

通常、

「予備校に行けば1年で50点上がる」

という保証などまったくない。

 

まったく上がらない生徒もいれば、

逆に下がる生徒もいる。

 

それが実態だ。

 

 

 

(続く)